そもそも住民票とは
厳密にいいますと、住民票というのは氏名や本籍などの情報が記載された住民基本台帳のことを指します。入社の時や銀行口座開設時に求められる一般的に住民票と呼ばれるものは、正確には「住民票の写し」と呼ばれるものです。
住民基本台帳は、市区町村ごとにまとめられ管理されており、その市区町村に居住する人を管理する、逆に言えば市区町村が行政サービスを提供するため基礎資料となります。
戸籍と住民票の違い
それでは、戸籍と住民票の違いとは何なのでしょうか?
まず「戸籍の情報」と「住民票の情報」は全く別のものと捉える必要があります。
戸籍とは「家族の関係」 を証明するものです。戸籍に記録される情報は、戸籍の筆頭者や家族の結婚や離婚に関する情報、子の誕生や養子に関する情報、戸籍に記載された人の死亡に関する情報などで、家族関係を証明するものです。
一方の住民票とは「住んでいる場所」を証明するものです。
戸籍は、戸籍法に基づく届出により記録され、本籍地の市区町村役場で保管・管理されるのに対して、住民票は、住民基本台帳法に基づく制度により住所地の市区町村役場で保管・管理さます。
また、戸籍の代表者は筆頭者であるのに対して、住民票の代表者は世帯主となります。世帯とは、「実際に同一の住居で起居し、生計を同じくする者の集団」であり、居住実態により実質的に判断されます。
住民票は、旅行などの一時滞在を除いて、外国人も管理の対象になります。
これは、外国人の方も日本国内で生活している以上、行政サービスを受けたり、税金の支払いが発生するためです。もちろん、マイナンバーも発行されますので、住民票上の記載内容に多少の違いはあっても、基本的には日本人と同様に扱われます。
対して、戸籍は日本国籍を有することが必要になります。日本人が外国人と婚姻した場合でも、日本国籍を持っていない人は戸籍に記載されることはありません。
住民票の内容
「住民票の写し」には、次の事項が記載されます。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 住所
- 住定年月日(その住所に住み始めた日)
- 住定届出年月日(自治体に転入届けを提出した日)
- 住民年月日(その市区町村に住み始めた日)
- 前住所(一つ前の住所)
- 世帯主の氏名
- 世帯主との続柄
- 本籍
- 筆頭者
- 個人番号(マイナンバー)
- 住民票コード
後半の6項目は、申し出がなければ記載されません。
また特定の住民のついてのみ発行するのか、世帯員全員分を発行するのか選択することが可能です。
今回の記事はここまでになります。