日本人は病院で亡くなっている
厚生労働書の2019年の統計調査(参考:「死因別統計データ」国土交通省)によると、死亡者全体の71.3%が病院で亡くなっているのに対し、自宅は13.6%、老人ホームでの死亡は8.6%になっています。
かつては病院で亡くなる方の割合は80%を超えていましたから、今わの際を過ごす場所の選択肢が少し増えたと言えるかもしれません。
病院でなくなった場合
入院患者が息を引き取ると、病院の医師による死亡確認が行われ、死亡診断書が発行されます。
このプロセスに警察が介入することは、原則としてありません。
老人ホームで亡くなった場合
老人ホームでの死亡診断は、老人ホームの嘱託医師や、提携の医療機関の医師が行います。
突然死だった場合や、日常で故人の検診をしていた医師が駆け付けられない場合でも、基本的には施設の嘱託医、提携機関の医師の診察を待って死亡確認が行われ、死亡診断書が発行されます。
もちろんのことですが、不慮の事故などによる死亡の場合は、警察が介入し監察医による死亡検案をされて死体検案書が発行されることもあります。しかし、老人ホームに入居している方は、複数の職員や他の入居者など常に人目がある為、警察の介入は殆どないと言われています。
自宅で亡くなった場合
最期は自宅で迎えたい希望するお年寄りは少なくないと言われています。そうした希望に応えるように在宅医療に取り組む医師も少しずつ増えてきているようです。
患者が自宅で療養していた場合も、患者が医師の診療管理下にあり、最終診察から24時間以内に死亡した場合は、病院同様に医師が死亡診断書が発行されます。
この「最終診察から24時間以内」というのが重要になります。
例えば、死亡前日に医師の往診が無く、最終診察から24時間以上経過した後に死亡した場合です。
この場合は、原則として警察が介入し、事件性の有無を捜査することになります。警察による同居家族への事情聴取が行われるほか、法医学の専門家である監察医や警察医によって詳しく遺体を調べ、死因などを調査する検案が行われます。
これは、患者の容体を看続けている医師が死因を判別可能な期限が24時間に設定されているためです。ですから、医師の最終診察から24時間を超えて死亡した場合は、警察が事件性の有無を調査することになります。
警察の調査は規則上行われるものでやむを得ないものですが、普段、警察と縁のない方にとっては事情聴取などは精神的な苦痛かもしれません。
今回の記事はここまでになります。