※この記事は「相続税の計算 ④個人納付税額の計算」の続きです。
はじめに
「相続税の計算 ④個人納付税額の計算」の中で、相続税計算の最終段階である税額控除(同記事の図中⑳)について説明しました。
本記事は、この税額控除の一つである相続税の「未成年者控除」について説明するものです。
控除の対象となる人
相続または遺贈により財産を取得した人が、以下の要件を満たす未成年者である場合は、その未成年者の相続税額の計算時に、年齢に応じて計算した額を相続税から控除することができます。
①住所要件
続や遺贈で財産を取得した時に、日本国内に住所がある人。
あるいは、日本国内に住所がないが、日本国籍を有し、かつ相続開始前10年以内に日本国内に住所を有している人。あるいは、日本国内に住所がないが、日本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人(被相続人が、外国人被相続人又は非居住被相続人である場合を除く)。あるいは、日本国内に住所がないが、日本国籍を有していない人(被相続人が、外国人被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人である場合を除く)。
②年齢要件
相続や遺贈で財産を取得したときに20歳未満である人。
③相続人要件
法定相続人であること(相続放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人であること)。
控除額の計算
未成年者控除の控除額の計算式は以下の通りです。
<未成年者控除の控除額の計算式>
(20歳 ー 相続開始時の相続人の年齢)× 10万円 = 未成年者控除額
この計算式で、括弧内の20歳に達するまでの年齢に1年未満の端数がある場合は、切り上げて1年としてして計算することになっています。
扶養義務者の相続税からの控除
前項の計算式により算出した未成年者控除額が、その未成年者の相続税額よりも大きくなり、未成年者控除額の全額が控除できない場合には、その控除できない部分はその未成年者の扶養義務者の相続税額から控除することができます。
また、その未成年者が今回の相続以前の相続においても未成年者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。
この記事は、ここまでになります。