税法上の養子縁組の制限
概 要
相続税法は、3 , 0 0 0万円の基礎控除額に加え、法定相続人1人につき600万円を控除するとしています。
養子縁組は、市区町村役場へ「養子縁組届」を提出することで完了する、比較的簡易な手続きとなっています。
そのため養子縁組を利用して法定相続人の数を大幅に増やすなどの租税回避行為を防止するため、相続税法上、養子の法定相続人加算については制限が設けられています。
制限の内容
法定相続人の数に算入できる養子の数は以下の通り制限されます。
・被相続人に実子がない場合:2人まで
・被相続人に実子がいる場合:1人まで
なお、次に挙げる子は実子とみなされ、この制度による制限はありません。
①民法上の特別養子縁組に基づく養子
②配偶者の実子で被相続人の養子となった者
③被相続人との婚姻前に被相続人の配偶者の特別養子縁組による養子となった者で、その被相続人の養子となった者
④実子もしくは養子またはその直系卑属が相続開始以前に死亡し、または相続権を失ったため、相続人となったその者の直系卑属
養子制限と他規定との関連
民法
養子制限を受けた養子と他の養子との間に、民法上の権利などに差はありません。
ですから法定相続分などは、他の兄弟姉妹と同等となります。
直系尊属または兄弟姉妹
養子制限の規定は、第1順位(子)についての制限であり、第 2順位(直系尊属)や第3順位(兄弟姉妹)については適用ありません。
債務控除
養子制限の規定は適用がありません。したがって、実際の負担額に応じてどの養子であっても債務控除を受けることができます。
未成年者控除及び障害者控除
養子制限の規定は適用がありません。したがって、控除を受ける特定の養子を決める必要はなく、どの養子であっても未成年者控除及び障害者控除を受けることができます。
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