遺言と相続登記 | シニアのための相続・遺言・成年後見研究所

相続登記

不動産における名義変更（所有権移転登記）のうち、相続が起きた際に行われる登記を相続登記といいます。亡くなられたご本人（被相続人）所有の不動産は、ご本人名義で法務局の「登記簿」に記載されていますので、それを相続人へと名義変更を行うものです。

今回は、遺言に基づく不動産の相続登記の流れを見ていきます。

自筆証書遺言の保管者または発見者は、家庭裁判所に遺言を提出し、検認請求を行う必要があります。

遺言書の検認とは、相続人等の利害関係者に対して遺言書の存在を知らしめ、その内容を明確にしたうえで、その後の偽造・変造を防止するための手続きです。検認を受けた遺言書の末尾には「検認済証明書」が編綴され、契印がなされます。

自筆証書遺言は、「検認済証明書」が編綴されることにより、登記原因を証明することが可能となります。

2020年7月10日施行の改正民法により、法務局での自筆証書遺言の保管制度が開始されました。この制度により法務局で保管される遺言は、検認手続きが必要ありません。

遺言書の死亡が戸籍に記載されれば、検認の必要なく、登記の申請が可能となります。

遺言書の文言により、登記原因が決定します。

例外はありますが、原則は以下の通りです。

遺言により特定の財産の承継を指定された相続人は、単独で相続を登記原因とする所有権移転登記を申請することができます。

また遺言執行者が選任されている場合、民法改正により、遺言執行者が単独で登記申請することができるようになりました。

遺言執行者が選任されている場合は、遺言執行者と受遺者の共同の登記申請となります。

遺言執行者が選任されていない場合は、受遺者と共同相続人全員による共同登記申請となります。